【最近の大陸での人権・規制状況】中国維権動態2016年4月24日号(中国維権網)より。翻訳:麻生晴一郎氏

發佈時間 : 2016-5-2 11:12:28

◎女性人権活動家・倪玉蘭はアメリカの「世界の勇気ある女性賞」を受賞したことで4月13日夜から北京市西城公安分局と厰橋派出所により自宅からの外出を禁じられ、夫の董継勤も外出時には数人の尾行を受け始めた。4月16日夜7時頃、倪玉蘭の娘が両親の家に食事に訪れたが、厰橋派出所の若手の制服警官“警号025278”に両親の家に入るのを阻止され、その際、娘は手首に青あざができる怪我を負った。

◎安徽省銅陵市に住む徐少華は身体障がい者で、末期の咽頭ガンを患う商人である。4月17日、彼は蘇州に着き、例年通り木瀆鎮にある依恋客房の104号室に宿泊していることを友人に携帯メールで伝えた。反右派闘争で迫害された林昭の記念日「4月29日」の前に墓参りをする目的であった。だが、鉄肩、程玉蘭、張振敏、李茂林の4人は翌日に彼と会うことをあらかじめ示し合わせていたが、4人が依恋客房に行くと徐少華はおらず、彼の携帯電話に電話しても電源が切れた状態のままであった。

◎4月18日、広東省汕頭市の人権擁護活動家・王喜利、章賢璽に、「集団社会秩序騒乱罪」により共に2年の刑が下った。2人は2014年4月、汕頭市澄海区塩鴻鎮の鎮政府の前で同鎮鴻一村の村民100人余りが村幹部の土地不正使用を訴えて行なったデモの現場に行き、デモの関連状況をネット上で流したために捕まった。同月23日、彼らの親族は彼らが汕頭市澄海区の警察に「集団社会秩序騒乱罪」容疑で捕まったことを知り、同年6月に同罪で正式に逮捕された。

◎4月18日、福建省の人権派弁護士・紀斯尊に4年6ヵ月の刑が下った。罪名は「集団社会秩序騒乱罪」と「騒動挑発罪」。紀斯尊はこれまで陳情農民の冤罪事件の弁護など庶民の人権擁護を数多く手がけ「赤脚律師(はだしの弁護士)」の異名を持つ。2014年10月21日、人民日報の招へいで「土地強制退去問題」記者招待会に参加しようと北京に向かう途中、福建省の警察の不法拘束を受け、10月28日に福州市拘留所で行政拘留処分を受けた。同年11月27日には刑事拘留に切り替えられ、2015年3月に福州市検察院の許可で正式に逮捕された。

◎謝陽弁護士の妻で深圳から出境を阻止された陳桂秋が公安部などを訴えてから7日後の4月18日、広東省高級法院の立件法廷の舒、鄭の2名の司法役人(名を明かすことは拒否)はこの件を担当する張磊弁護士に対し、陳桂秋が深圳で出境を阻止されたのは国家安全部が彼を出入境の抑制対象にしているからであり、この行為は刑事捜査であって行政行為ではなく、したがって裁判所の行政訴訟の受理範囲ではなく、そのため訴えを受理しないことを決定したと語った。

◎2013年に湖北省赤壁市の市政府前で民主化推進を訴えた5人が「集団社会秩序騒乱罪」と「騒動挑発罪」に問われた件で、メンバーの中の袁小華、袁兵に対する公開裁判が4月19日に開かれた。雲南省の人権擁護活動家で70歳近くの朱承志ら公民たちが傍聴を求めたところ赤壁市の警察に連行され、朱承志は拘留中に拷問を受けて左手親指を骨折した。同時に拘留されて後に釈放された賈榀の話では、彼自身は36時間閉じ込められ、まるまる2晩寝ることを許されず、老虎櫈(拷問用の長椅子)に十数時間座らされ、あやうく集団から殴打されそうになったという。

◎山東省青州市の人権擁護人士・許佃芳は2010年に非公式の立ち退き契約書への署名を拒否したことで、地元政府に雇われた黒社会の人間たちから酷い暴力を受けた。怒った彼女は陳情を始めたが、その後も脅迫や拘束を受け、2015年1月には黒社会の人間に淄博市桓台県の畑に連行され、素っ裸にされて激しい殴打や電気棒攻撃を受けるなどした。彼女は桓台県の派出所に訴え、派出所は詳細な調書を取ったが、やがて訴えは受け入れられないと態度を変え、やむなく桓台公安局に政府情報の公開を申請するものの返事はなく、ついに裁判所に行政訴訟を起こした。この訴訟は4月21日午前に開始の予定だったが、前の晩に現地政府はかつて彼女を暴行した7、8人の黒社会のメンバーを雇い、彼女が裁判所に行けず、審議が始められないようにすべく彼女の家を包囲した。

◎4月21日午前9時、広東省佛山市の人権擁護活動家・蘇昌蘭女史の「国家政権転覆扇動罪」(彼女は香港のセントラル占領の写真をネット友らに転載したことで捕まったが、後に彼女の文章が国家政権転覆扇動罪にあたると起訴された)の裁判が始まった。傍聴を希望して現場に駆け付けた大勢の中には大使館職員やネット友の甄江華、李維国、辛巴らがいた。9時頃、甄江華は警察に連行され、李維国は警察に取り押さえられ、辛巴は電話がつながらず音信不通になった。

◎4月22日正午12時、違法ワクチン被害者の世帯主である孫燕、劉立軍、易文龍、謝艶ら十数人が国家衛生・計画生育委員会の門の前でワクチンに関しての立法を願い出たが、警察に鎮圧され、およそ男性4名、女性7名の10名以上が連行された。後に一部の世帯主は手錠を掛けられて公安局の海淀分局に連行された。ある世帯主によると、彼らの一部が泣き叫びながら習近平と彼の子どもに会いたいと懇願し、別の世帯主がそれを止めていたという。

◎4月23日に維権網に入った情報では、河北省の人権擁護活動家・裴国動は「香港人民の民主普通選挙実現の支持」により近ごろ4年6ヵ月の刑が下され、すでに承徳中級人民法院に控訴し、控訴審はまだ始まっていない。裴国動は2015年11月14日に絶食を始めて5ヵ月あまりになり、現在は県医院の看護を受けながら毎日鼻から栄養を送り込まれている。