民主化を求める中国の学生などの運動が武力で鎮圧された天安門事件から２７年となるのを記念して、東京で集会が開かれ、当時、学生運動のリーダーだった王丹氏が中国の民主化への支持を呼びかけました。

５日夜に都内で開かれた集会には３００人以上が参加し、１９８９年の天安門事件当時の学生運動のリーダーで、アメリカへの亡命を経て、現在、台湾の大学で客員教授を務めている王丹氏が講演しました。
この中で王氏は、天安門事件は中国の転換点になったと指摘し、「当時、多くの若者が政治に参加しようという熱い思いを抱いていたが、事件のあと人々の間で諦めが広がり、経済的な利益ばかり追い求めるようになった」と述べました。

さらに、習近平指導部が強い中国を作り上げることなどを「中国の夢」として目標に掲げていることについて、王氏は「国家権力の強化だけを目指したものであり、より安全で自由な暮らしをしたいという『庶民の夢』とどんどんかい離している」と批判しました。
一方で、香港や台湾、それに日本など東アジア各地で若者がデモを行うなど、政治に参加する動きが出ていることに触れ、「中国を含め、若い人たちの運動は健全な民主主義を築くうえで不可欠だ。未来の友好関係のために私たちが分かち合うべき共通の価値観は『民主主義』にある」と述べ、中国の民主化に対しても支持を呼びかけました。