中国また言論弾圧か…甘粛の記者、不祥事取材が「売春」、さらに「政府恐喝」 新聞社「多くの疑問点」

發佈時間 : 2016-1-30 18:37:21

中国内陸部の甘粛省で今月、地元政府の不正などを追及する3人の地元紙記者が相次いで治安当局に拘束され、大きな波紋を呼んでいる。そのうち一人は「政府を恐喝した」との容疑で逮捕されたが、所属する新聞社が「逮捕は多くの疑問点がある」とする公開書簡をインターネットで発表し、地元当局による言論弾圧の可能性があることを示唆した。

■防災訓練中のミス「取材するな」

逮捕されたのは、甘粛省の省都にある新聞、蘭州晨報の記者、張永生氏。同紙の公開書簡などによると、7日に同省武威市内中心部で行われた防災訓練中、担当者が処置を誤り周辺の建物に引火し火事となった。武威市当局者は各メディアの担当記者に「取材するな」と圧力をかけたが、張記者は無視して、家族と同僚に「現場に行く」と伝えて車で現場に向かい、そのまま行方不明となった。

9日に地元警察が家族と蘭州晨報に対し「張氏を買春容疑の現行犯として逮捕した」と連絡したという。

しかし、その約1週間後、張氏の容疑は「政府を恐喝した」に“変更”された。武威市の公安当局は、これまでの張氏が書いた政府の不祥事を追及する複数の報道について調査を始めているもようだ。張氏はこれまでも当局者に「気をつけろ」などと脅されたことがあったという。

■当局から圧力…紙面掲載出来ず

蘭州晨報は25日、ネット上でこの件について約4300字の公開書簡を発表。「司法を尊重し、警察の捜査を妨害するつもりはまったくない」としながら、「今回の事件の疑問点はあまりに多く社会の関心も高いため、捜査の進捗(しんちょく)状況を公開するなど透明性を高めてほしい」としている。

地元のメディア関係者によると、蘭州晨報は当初、この手紙を紙面に掲載する予定だったが、当局から圧力を受けできなかった。

一方、張氏と同じ時期に拘束された別のメディアの2人の記者は、30日までに保釈されたという。北京の人権活動家は「甘粛省の記者逮捕も、香港の書店関係者失踪と同じく、当局による言論弾圧がますます強化された表れだ」と話している。

産経ニュース